熱処理とは、様々な温度に熱した金属を様々な速度で冷却することで耐摩耗性や疲労強度といった機械的特性を向上させる加工技術です。
熱処理の一種である「浸炭」は、金属の表面に炭素を浸入させることにより金属の内面に靭性を持たせたまま表面のみを硬くする手法で、歯車やベアリングといった自動車産業向け部品に幅広く用いられています。
一般的なガス浸炭法は、原料ガスとしてメタン、プロパンなどと空気を1,050℃程度の変成炉中で触媒と反応させた変成ガス(一酸化炭素・水素・窒素)を用いて浸炭を行なう処理法です。
一方で、常圧スマート浸炭では、アセチレンガスと窒素ガスを用いて鋼材表面に直接浸炭を行ないます。
変成ガスを一切用いないため、変成炉が不要です。 変成炉は24時間稼働していることがほとんどですが、本浸炭法では処理毎に浸炭ガスの供給を行なうため、容易に稼働停止できます。
供給ガスを、
・エンリッチガス:炭化水素系ガス(メタン・プロパン・ブタン) → アセチレンガス
・キャリアガス:変成ガス → 窒素ガス
にそれぞれ変更しております。
アセチレン濃度をリアルタイムで測定し、その数値を基にアセチレン流量の制御を行ないます。
アセチレンは分解性が高く制御の難しいガスですが、直接分析を可能にすることにより浸炭処理の自動制御を達成しました。
現在使用している浸炭炉をそのまま活用できるため、大幅な投資をすることなく、使用するガスの種類を変更するだけで本技術を適用することが可能です。
常圧スマート浸炭では変成炉を使用しないため、ガス供給量の低減に伴い、従来のガス浸炭法と比較してCO2排出量を90%以上(※)削減できます。
一般的に変成炉は24時間稼働し続ける設備であるため、その分の電気代や人件費等を抑えることも可能です。
※一般的なガス浸炭反応式から算出した当社独自による計算値です。
アセチレンガスが還元剤として作用することで炉内酸素分が消費されるため粒界酸化層が形成されづらく、真空浸炭に近い金属表面組織を確保することが可能です。
浸炭処理工程開始直後から高濃度での浸炭処理が可能であるため、浸炭時間がやや短縮されます。
カタログ:常圧スマート浸炭 | |
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