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長尺多層カーボンナノチューブの研究

カーボンナノチューブ

カーボンナノチューブ(CNT)とは

カーボンナノチューブ(CNT)の特性

単層・多層カーボンナノチューブ

カーボンナノチューブとは、炭素によって作られる6員環ネットワーク(グラフェンシート)が単層あるいは多層の円筒状になった物質です。

多くの特性があり様々な用途へ応用されています。

  • 軽量で、引張強度が高く、柔軟性がある
  • 高電流密度の良導体
  • 熱伝導性が良好
  • 高導電特性
  • 電磁波吸収性が高い
  • 高い耐食性、耐熱性
  • 比表面積が大きい

当社が開発するCNTは層数が20~40層の多層CNTです。

当社多層CNTの特長

長い(長さ最大3mm)

基板から垂直方向に3mmのCNT

当社が開発する多層CNTは、基板上に原料となるアセチレンガスを投入することで、最長 3mm程度まで成長します。

反応性の高いアセチレンガスは、高温下で熱分解されることでネットワークを形成しながらCNTへと変化します。

合成条件を変えることで、CNTの長さやCNTの長径をコントロールすることが可能です。

高純度(純度99.5%以上)

熱重量測定

独自の合成法により、不純分の少ない高純度CNTを合成することが可能です。

また、さらなる高純度処理により、純度99.99%以上のCNTにする開発を行なっています。

高純度化へ向けて、さらなる研究開発をすすめています。

高結晶(G/D比2.7以上)

ラマン分光法

高結晶(G/D比が高いほど高結晶)であるCNTは、6員環ネットワークがきれいに形成されて、欠陥が少ないCNTであることを意味しています。

欠陥の少ないCNTは、熱・電気伝導性に優れているため、CNT分散体や樹脂コンパウンド品の熱や電気の伝導性向上に大きく寄与します。

高結晶化されたCNTはG/D比13以上にもなります。

さらなる高結晶化へ向けて研究開発をすすめています。

紡績性

引き出されるカーボンナノチューブ
引き出されるカーボンナノチューブイラスト
引き出されるカーボンナノチューブ上から
長尺で、高密度に一方向配列
  • CNT同士が連なった構造を形成しやすい
  • ファンデルワールス力による結合
  • 水平方向に紡績が可能

CNTを摘まんで引き出すことで繊維状に紡ぎ出すことが出来ます(紡績性)。

紡ぎ出したCNTは繊維状のヤーンやシートに加工することが可能です。

当社CNTの強み

少ない添加量・接合点で特性を付与

分散したカーボンナノチューブの拡大図
長いCNTの分散
  • 1本が長いため、少量でもCNTが長く連なる
  • CNT同士の重なりが少ない
  • CNT本来の特性を発揮しやすい

CNTをゴムや樹脂との複合材に応用する場合にはCNTを図のように母材に分散させる必要があります。

母材に機械的強度や導電性・熱伝導性を付与するには母材の中でCNTが連なりを形成している必要があります。

しかし、CNT同士の接合点は導電性を阻害する原因になります。

当社CNTは、長尺であるため少ない分量と接合点で母材に機械的強度・導電性を付与することができます。

開発製品ラインナップ

製品一覧

  • フレーク
    カーボンナノチューブ・フレーク

    多層CNTアレイをほぐした状態の製品

  • アレイ(標準品)
    カーボンナノチューブ・アレイ(標準品)

    基板上に垂直配向した多層CNT

  • アレイ(紡績品)
    カーボンナノチューブ・アレイ(紡績品)

    基板上から糸状に紡ぎだした多層CNT

  • ヤーン
    カーボンナノチューブ・ヤーン

    多層CNTを紡いで糸状にした連続長繊維

  • シート
    カーボンナノチューブ・シート

    配向性を有する多層CNTの積層シート

  • 分散体
    カーボンナノチューブ・分散体

    溶媒に多層CNTフレークを分散させた製品

  • CNT混練樹脂
    カーボンナノチューブ・混練樹脂

    樹脂に多層CNTフレークを混練させた製品

  • 接着剤
    カーボンナノチューブ・接着剤

    接着剤に多層CNTフレークを添加した導電性接着剤

多層CNT・フレーク

  • 多層CNT・フレーク
  • CNT直径
    20~60 nm
    純度
    >95 %
    電気抵抗値
    0.0008~0.005 Ωcm
    密度
    2.0 g/cm3
  • 型番
    CNT長さ
    NTF-3
    0.3±0.2 mm ※
    NTF-7
    0.7±0.2 mm
    NTF-10
    1.0±0.3 mm
    NTF-15
    1.5±0.3 mm
    NTF-20
    2.0±0.3 mm ※
    NTF-30
    3.0±0.3 mm ※

    ※ 少量生産品

CNTは導電性・熱伝導性・機械的強度といった部分で金属材料を凌駕する特長を持っています。

当社CNTは長さ別にラインナップを取り揃えており、高導電性を活用した分散液や樹脂、高熱伝導率を利用した放熱シートなど様々な用途への展開が可能です。

多層CNT・アレイ(標準品 / 紡績品)

標準品
多層CNT・アレイ(標準品)
多層CNT・アレイ(標準品)イラスト

当社CNTは基板上に配向しながら成長するため、剥離したCNTは縦方向に配向しています。

そのため、上下方向に高い導電率と熱伝導率を有しています。

紡績品
多層CNT・アレイ(紡績品)

基板上に高密度に成長した当社CNTは紡績性があるため、摘まみながら引き出すことで繊維状に加工することが出来ます。

撚りながらCNTを引き出すことで糸状のヤーンに加工することが出来ます。

多層CNT・ヤーン

多層CNT・ヤーン
CNT直径
20~60 nm
CNT糸径
30~50 μm
引張強度
~0.5GPa
ヤング率
50~100GPa
電気抵抗値
0.002~0.005 Ωcm
結合剤
なし(CNTのみ)
多層CNT・ヤーン拡大

CNTを繊維状に加工したものがヤーンです。

細く・軽量でありながら高導電性・高熱伝導性があるため、ケーブルや電熱線の代替として、研究開発が進んでいます。

上記仕様以外にも糸径を変えた開発も進めています。

多層CNT・シート

多層CNT・シート作成
CNT直径
20~60 nm
シート厚さ
1.0~5.0 μm(約10層)
シート層数
10層・20層・40層・80層 etc.
重量
0.3~2.0 g/m2
電気抵抗値
101~103 Ω/□
熱伝導率
70~140 W/(m・K)  配向方向
結合剤
なし(CNTのみ)
多層CNT・シート

紡績性CNTをシート状に加工することができることも当社製品の特長です。

軽量で高導電性・高熱伝導率であるため、放熱シートやヒーター、電極材料などとしての活用が期待されています。

多層CNT・分散体

多層CNT・分散体

CNT分散体(溶媒はNMPや水など)は、高い導電性を利用してリチウムイオン電池や全個体電池の導電助剤としての活用が進んでいます。

当社の長い・高純度・高結晶なCNTを用いることで、少量添加でも高い特性が発現します。

また、さまざまな溶媒へCNTを分散させる研究開発も進めています。

多層CNT・分散体のネットワーク

多層CNT・混練樹脂

多層CNT・混練樹脂
多層CNT・混練樹脂表面抵抗

当社の長尺CNTを樹脂やゴムに混練したものが、CNTコンパウンド品 / マスターバッチ品です。

CNTを樹脂やゴムに混練させることで、導電性や熱伝導性が向上します。

長尺CNTであるため少量の添加で特性が発現するため、樹脂やゴムの本来の性質を生かしたまま、導電性などが付与されます。

多層CNT・接着剤

多層CNT・接着剤
製品名
ペガロック9400E(CNT添加型開発品)
タイプ
2液混合型アクリル系接着剤(1:1)
外観(色)
A剤:黒 B剤:ダークグレー
硬化時間(A,B剤各1g混合)
~5 min
粘度(BH型・23℃・20rpm)
70,000±20,000 mPa・s
引張剪断強度(鋼板)
≧30 N/mm2
T形剥離強度(鋼板)
≧2.5 N/mm
電気抵抗値※1
101~102Ω

※1 シート状に硬化させロレスタにて測定

接着剤にCNTを添加して導電性を付与した、導電性接着剤を開発しています。

高い導電性能を有した長尺CNTを用いることで、接着性能を維持したまま導電性が発現します。

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