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アセチレン(溶解アセチレン)(C2H2

性状

無色
純粋なものはエーテル臭があるが通常は不純物のため特有の臭いがある
ガス比重
0.906(空気=1,0℃、0.1013MPa)
液比重
0.617(-80.55℃,0.128MPa)
分子量
26.038
ガス密度
1.172kg/m³(0℃、0.1013MPa)
沸点
-84.15℃
融点
-80.85℃
発火温度
305℃
爆発範囲
2.5~100%
アセチレン充填ライン

アセチレン充填ライン

製法

アセチレンガスはカーバイドと水の反応により発生します。
発生したアセチレンガスは清浄装置や乾燥器により不純物や水分が除去された後、容器内の多孔質物に浸潤した溶剤に溶解され安定状態を保ちます。

溶解アセチレン製造フロー

溶解アセチレン製造フロー

用途

溶接・溶断

アセチレンと酸素の混合ガスを燃焼させ、鉄鋼製品を溶接・溶断します。

溶解アセチレンとの火炎温度比較

ガス名 メタン プロパン プロピレン エチレン アセチレン
火炎温度(℃) 2,780 2,800 2,900 3,000 3,330
分析用

原子吸光分析

炭素原料
常圧スマート浸炭
アセチレンガスと窒素ガスを用いて鋼材表面に直接浸炭を行なう処理法で、CO2発生源である変成炉を一切使用しない画期的な浸炭方法です。
研究開発 常圧スマート浸炭ページへ
真空浸炭加熱炉
浸炭性能が他のガスよりも優れています。
太陽電池
シリコンの単結晶表面に炭素を浸透させます。
眼鏡のフレーム表面に炭素皮膜によりコーティングします。
刃物の刃先にダイヤモンド状皮膜成形し硬度を高めます。

供給形態

アセチレン容器

アセチレン容器は通常のガス容器と異なり、内部に多孔質物(ケイ酸カルシウム他)を隙間が無いように詰め、これにアセトンまたはDMFをしみ込ませてあります。
この容器にアセチレンを加圧溶解することにより安定させ、安全に取り扱うことを可能とします。
(右の写真白いものが多孔質物)

アセチレン容器内部

アセチレン容器内部

ガス供給設備

一般的には、容器により流通、消費されています。消費事業所に容器集合装置を設置し、ガスを供給します。

安全及び保守

アセチレン容器

■アセチレンは逆火しやすいため、消費時には安全器(乾式、湿式)を必ず取り付けて下さい。

■アセチレン容器は高温の場所には置かないようにして下さい。

■アセチレン容器は必ず立てて貯蔵、消費するようにして下さい。

■容器バルブは断熱圧縮を防止するため静かに開くようにして下さい。

■銅・水銀・銀に作用して爆発性の化合物を作るのでガスが接触する所には使用しないで下さい。

その他

[適用法規

■高圧ガス保安法[第2条]

■消防法[第9条の3(圧縮アセチレンガス等の貯蔵・取扱いの届出)]

■労働安全衛生法[施行令別表第1危険物(可燃性のガス)]

LPG(Liquefied Petroleum Gas)

性状

LPGはプロパンとブタンを主とした炭化水素の混合物です。特性はプロパンとブタンの混合割合によって異なっています。常温常圧では気体ですが、加圧するか冷却すると容易に液化します。 液化すると、体積は気体の時の約250分の1になります。発熱量は都市ガス(13A)の約2倍以上になります。

  • LPG貯槽

    LPG貯槽

  • LPG充てん機

    LPG充てん機

  • LPG容器(溶接容器)

    LPG容器(溶接容器)

プロパン(C3H8)
無色
無臭
ガス比重
1.56(空気=1,0℃、0.1013MPa)
液比重
0.533(0℃,0.1013MPa)
分子量
44.09
ガス密度
2.02kg/m³(0℃、0.1013MPa)
沸点
-42.07℃
融点
-187.69℃
総発熱
23,677kcal/Nm3(25℃,1atm)
燃焼範囲
2.1~9.5Vol%(空気中)
蒸気圧
0.38MPa(0℃,ゲージ圧)
0.72MPa(20℃,ゲージ圧)
1.27MPa(40℃,ゲージ圧)
ブタン(C4H10)
無色
無臭
ガス比重
2.01(空気=1,0℃、0.1013MPa)
液比重
0.601(0℃,0.1013MPa,n-ブタン)
分子量
58.12
ガス密度
2.60kg/m³(0℃、0.1013MPa)
沸点
-0.5℃
融点
-138.35℃
総発熱
30,685kcal/Nm3(25℃,1atm,n-ブタン)
燃焼範囲
1.9~8.5Vol%(空気中,n-ブタン)
蒸気圧
0.01MPa(0℃,n-ブタン,ゲージ圧)
0.11MPa(20℃,n-ブタン,ゲージ圧)
0.28MPa(40℃,n-ブタン,ゲージ圧)

用途

家庭用

厨房、暖房、風呂用(主成分 プロパン)

地震等の災害に強く、電気、都市ガス、水道、電話といったライフラインが壊滅的な打撃を受けた際でも、LPガスはもっとも迅速に復旧させることができます。
通常家庭で使用するLPガスボンベは、非常時には家庭でのエネルギーのストックになります。

工業用

■溶融

■加熱

■焼き入れ、焼き鈍し

■切断用

■乾燥

■エアゾール噴射剤(主成分 脱臭プロパン)

■使い捨てライター(主成分 ブタン、内圧は常温で約0.2MPa)

■カセットコンロ用ボンベ(主成分 ブタン、一部プロパン混合したもの有り)

都市ガス用

■都市ガスカロリー調節

自動車用燃料

■タクシー等の自動車燃料(主成分 ブタン)

化学原料

■エチレンの生産

電力用

■火力発電

冷暖房(GHP)用燃料

■GHP:Gas Heat Pump ガスヒートポンプ:高効率のガスエンジンを使って冷暖房を行なう空調システムです。

熱・電気併給(コ・ジェネレーションシステム)システム用燃料

近年、病院、特別養護老人ホーム等で災害に強いとしてLPGによるコ・ジェネレーションシステムが採用されています。
コ・ジェネレーションシステム:電気と熱を同時に発生・供給する装置を使ったエネルギー利用システムのことで、総合エネルギー効率の向上がはかれます。
原動機等を用いて発電をした際に発生する排熱を冷暖房や給湯等の熱需要に利用できます。
使用する原動機の種類によってガスエンジンシステム、ガスタービンシステム(MGT)等があり燃料電池もコ・ジェネレーションの一つです。

燃料電池燃料

燃料電池:水の電気分解の逆の化学反応を利用して、酸素と水素から電気を発生させる仕組みです。
     水素の供給源としてLPGや天然ガス、メタノール、灯油等も利用できます。

供給形態

■溶接容器による液化石油ガスでの供給

■貯槽による液化石油ガスでの供給(ローリーにより補充)

安全及び保守

爆発性・引火性

空気中でLPGが1.8~9.5vol%の濃度になると爆発する危険性があります。

凍傷

LPGを使用する時は、液が直接体にかからないようにして下さい。凍傷になるおそれがあります。

窒息

毒性ではありませんが、漏洩などにより高濃度ガスが存在した場合、窒息するおそれがあります。
空気より重いガスのため、床や低所に滞留している可能性があります。

その他

[適用法規]

■高圧ガス保安法[第2条]

■労働安全衛生法[施行令別表第1危険物(可燃性のガス)] [施行令第18条の2(名称等を通知すべき危険物及び有害物)]

■消防法[第9条の3(貯蔵・取扱いの届出物質)政令第1条の10液化石油ガス(300kg)] 

LNG(Liquefied Natural Gas)

性状

LNGは一般に天然に産するメタンを主成分とする可燃性のガスです。
産する国によって組成は違っており、
アラスカで 99.8%
ブルネイで 89.7%
マレーシアで91.7%
のメタンを含んでいます。
メタン以外の成分はエタン、プロパン、窒素などです。

  • LGC充填設備

    LGC充填設備

  • LNG貯槽

    LNG貯槽

メタン
無色
無色
ガス比重
0.55(空気=1 0℃、0.1013MPa
分子量
16.04
ガス密度
0.72kg/m³(0℃、0.1013MPa)
液密度
0.43kg/L
沸点
-161.5℃
融点
-182.6℃
総発熱量
55,528KJ/kg(25℃、0.1013MPa)
真発熱量
50,040KJ/kg(25℃、0.1013MPa)
燃焼範囲
5.0~15.0vol%(空気中)

用途

都市ガス

都市ガスはLNGが主成分です。

発電用

■火力発電用燃料

化学工業原料

■メタノール、アンモニア等の製造原料

自動車用燃料

■LNG自動車の燃料として使われており、都市交通用バス等に利用されています。
LNG自動車の充填所も年々増加しており、一般的なものとなりつつあります。

LNGの冷熱利用

■輸入されてきたタンカー内のガスは非常に低温なため、その冷熱で空気を冷却し酸素・窒素等の製造に利用します。
(酸素・窒素は空気を冷却し液化させて製造)

■燃料電池用

■ドライアイスの製造

供給形態

■パイピングにより都市ガスとして供給

■超低温可搬式容器(LGC)による液化天然ガスでの供給

■貯槽による液化天然ガスでの供給(ローリーにより補充)

■シームレス容器によるCNG(圧縮天然ガス)での供給

安全及び保守

爆発性・引火性

空気中でLNGが5.0~15.0vol%の濃度になると爆発する危険性があります。

凍傷

LNGを使用する時は、液が直接体にかからないようにして下さい。凍傷になるおそれがあります。

窒息

毒性ではありませんが、漏洩などにより高濃度ガスが存在した場合、窒息するおそれがあります。

その他

[適用法規]

■高圧ガス保安法[第2条]

■労働安全衛生法[施行令別表第1危険物(可燃性のガス)

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